歴史から考える「教育」と「教員」の未来
貝塚茂樹(武蔵野大学)
「歴史とは、現在と過去との間の対話である」と述べたのは、イギリスの歴史家、E・H・カー(Edward Hallett Carr、1892―1982)です。過去とは現在に照らされ、現在との対話の中でその本質が明らかとなる。同時に過去を見通すことがなければ未来をも見通すことはできない。とすれば、あるべき教育の姿を把握するためには、どうしても歴史的な視点からの検証を必要とし、理念との相互媒介(対話)的関係の中で追究されることが求められる——。この言葉にはこうした意味が込められています。
さて、これからの教育はどこに向かおうとしてるのか。この基本的な問いは、教員(教師)はどうあるべきなのか、その使命と社会に果たすべき役割とは何かを考えることと不可分です。教師論、教員養成、教職課程のカリキュラムなどの観点から、教員(教師)を検討し、その未来について考えて行きましょう。